2026.5.14 付 繊研新聞に掲載していただきました。
以下、転載。
天然繊維軸に異素材、機能性で多彩に
東京テキスタイルスコープにみる27年春夏テキスタイル
シャリ感を訴求
パノコトレーディングは経糸に鉄焙煎したカラードコットンを使ったチェック柄を披露した。柔らかな風合いと優れた肌触りが特徴だ。オーガニックギザコットンを使ったからみ織りやコットンパイルなど、シャリ感や起毛で触感に訴えるテキスタイルを充実した。
三つの糸を軸に提案したのはSTX。初披露の「ドライコア」は、ポリエステルの芯を綿でカバリングした二層構造を持つ。抗ピル性や形態安定性、速乾性などの機能を持ち肌触りも良い。紡績工程での落ち綿を使った「オールドコット」は、生地にするとむら感が出てビンテージのような風合いになるのが特徴だ。オーガニックコットン「コンフィル」は、インドで有機栽培された原料を使い、毛羽立ちが少なく滑らかな表面を持つ。和歌山の染工場とニッターによる5L00Pと開発した生地も見せた。
「シャリ」をテーマに掲げる小原屋繊維は、得意とする綿と麻をベースにした清涼感ある素材を充実した。ガス焼きした綿の強撚糸で織った生地や麻混をイチ押しする。高級リネン糸として知られる「サフィランリネン」は、高単価ながらドメスティックブランドを中心に引き合いがあり、好評だ。
日常で使いやすく
天然繊維を日常で使いやすくするために機能性を付与した提案も広まる。日本蚕毛染色は、わた段階でウォッシャブル加工を施した「むーしるく」を推す。紡績時にシルクと水溶性糸を組み合わせ、後工程で糸が溶けることでゆとりが生まれる。ふわふわとした柔らかい風合いを持ち、ネットに入れて家庭用洗濯機で洗えることが特徴だ。
異素材の組み合わせも多い。天然調、トレンド素材、機能性、トリコットの四つを軸としたのはササキセルム。暑さから天然繊維の需要が高まり、トリアセテート混などの引き合いが強い。防しわ性や家庭用洗濯への対応など、イージーケアの機能性は必須となっている。リネン・「ソロテックス」は毛羽を落とした糸でクリアに仕上げた。からみ織りやメッシュなど、高通気素材も人気だ。キラリはナイロンと綿、ポリエステルとリネンなどの併せ使いを揃えた。後加工で風合いに変化を加え、独特の表情を付与した。
古橋織布は経糸にバンブーレーヨン、緯糸にリネンを使った素材を提案した。レーヨンの光沢とリネンの清涼感が特徴だ。ワッシャー加工やタンブラー加工で素材の良さを引き出し、ナチュラルな見た目に仕立てた。コットンやウールと組み合わせ、紙糸の固さを改良した。ラミーに似たドライ感と軽さを持たせた。コットンとシルクを使ったテキスタイルも、春夏らしい表情が好評だった。
長谷川商店はシルクとコットンのベロアを企画。シルクならではの光沢を持ち、かすり染めの糸を使い多彩な表情を表現した。